
3歳を過ぎたあたりから、息子が口癖のように言うようになった言葉があります。
「じぶんでやる!」
着替えも、靴を履くのも、おやつの袋を開けるのも、歯磨きだって。
全部、自分でやりたい。手伝おうとすると「じぶんで!」と言って、手を払いのける。
その小さな手で、真剣な顔で、一生懸命やろうとする。こちらが口を出せる雰囲気じゃない。
思わず「どうぞ、どうぞ」と引いてしまうくらいの気迫があります。
うまくはいきません。
靴は左右逆だったり、袋は破れてしまったり、ボタンは全部ひとつずつずれていたり。
でも本人は、全く気にしていない。「できた!」と言って、満面の笑みで振り返る。
その顔が、また本当にかわいい。
こっちも「うん、できたね!」と言うしかなくなってしまう。
指摘するタイミングを完全に失うんです。
この写真も、そういう瞬間でした。
シャツを自分で着ようとして、なぜかこんな形になってしまった。
頭だけがすっぽり包まれて、腕はどこにも通っていない。
どこをどう着ようとしたら、こうなるんだろうと思うくらいの仕上がりです。
でも本人は得意げで、どこか誇らしげな顔をしている。
その表情がまた堂々としていて、思わず笑いをこらえながらシャッターを切りました。
実はこれ、パパがよく家でやって見せているやつです。
シャツをこんな風に変にかぶって、家族を笑わせようとするやつ。
お風呂上がりとか、着替えのタイミングで、なんとなくやってしまう、あれです。
本人はただのギャグのつもりでした。
まさか息子がこんなにちゃんと覚えていたとは、思ってもいませんでした。
子どもって、本当によく見ているんですよね。
「教えよう」と思っていないことほど、しっかり吸収している。
大事なことを伝えようと言葉を選んでいる時より、何気なくふざけている瞬間の方が、ずっと深く刻まれていたりする。
こっちが遊びのつもりでやっていることも、子どもの目には「かっこいいパパのやること」に見えているのかもしれない。
そう思うと、少し嬉しくて、少し恥ずかしくて、また笑ってしまいました。
親の背中を見て育つ、とはよく言いますが、背中どころか、ふざけている横顔まで見られているようです。
「じぶんでやる」の精神は、たぶんパパ譲りです。笑
