親の伝家の宝刀 ※12年前に保護者の方へお送りした文章です。

親の伝家の宝刀
(※ 辞書で意味を調べました。「いざというとき以外は使わない手段」だそうです(^^))
子どもが言うことを聞かない,勉強をしない,約束を守らないときに,親には子どもへのいろんな武器があります。
しかし,最近,その武器を乱用してしまって,あとで困ってしまう親がいらっしゃいます。
(よくある例)「あなたね!勉強しっかりやらないとお小遣いあげないわよ!」
はじめのうちは「がんばる!」と言って頑張りますが,親が考えるほど,そんなに単純に成績上がるわけではありません。
脅され続け,何度か達成できないときに,生徒が「もういいや」となってしまうのです。そして親は次の武器,「携帯電話(ゲーム)取り上げ作戦」を安易に使ってしまうわけです。
「門限早める作戦」もよく見ました。
そもそも,勝手に与えておいて,親の都合で取り上げるわけですから,子どもは強い反発を示すでしょうし,多くの場合,逆効果になるでしょう。
この程度で終わればまだマシなのですが,
伝家の宝刀「塾を辞めさせるわよ作戦」
これは,まず,いけないことは,成績が上がらないことを塾の責任にしようとしていることを子どもに言っているようなもの。
また,せっかく好きで通っている塾を子どもが辞めなくてはいけないかもしれないから,無意識に塾を好きでなくなろうとすること。です。
もったいないことです。せっかく我々が全力で生徒を好きにさせて,いろんな話を聞いてくれるようになってきたのに。
そもそも,「塾辞めたくないからがんばる!お願い塾だけは辞めたくない!」っていうのはうちの塾だからですよ。
周りの他塾に通っているお母様に聞いてみて下さい。笑。嫌々通っている塾なら「やった~!辞めて良いの?」なんて言いますから。
塾を好きでいれば何かと便利なことが多いのに,それを活用でなく利用しようとして,保護者がその伝家の宝刀を抜いてしまうもんだから,もう後がない。
子どもが「わかった塾辞める。高校も別にどうでもいいや」なんて言い始めた時,親はびっくりしてしまい「え?本当に,あんなに塾楽しく行っていたのに?本当に良いの?違うの。お母さんはあなたの頑張る姿が見たいだけで。お母さんは・・・・」ってなって,もう大変。
本気で塾辞めさせると言ってしまう保護者は少ないんですけれどね。
本気で言ってしまう保護者様は残念ですが,ずっと繰り返して,いろんな塾を転々として,うちの子に合う塾はなかった。となるんでしょうか。手遅れにならなければ良いのですが・・・
今回お伝えしたいことは「賞罰」のことです。
大人でも何かを求めて努力をします。それは認められたい欲求だったり,金銭的なものだったり。
子どもはさらに単純です。罰を与えるより,賞を与えた方が長期的に伸びます。罰は一時的な効果があり,とても簡単にできることなので,保護者様が武器として使いやすいのですが。一時的なパワーです。
しかし何事も持続力が大切ですから,賞をオススメします。
物や金ではなくても,褒めるということだけでも効果ありますよ。
携帯や,お小遣いアップを目の前にぶらさげるなら,遠すぎず近すぎずの所に目標を定めてください。
遠すぎると,数回挑戦した時点で,モチベーションが下がります。一番良いのが,たまに鼻に触れるくらいの距離ですね。どうか,うまい位置にニンジンをぶらさげてください。

この記事を書いた人

川上 大樹 HIRO先生