
こんにちは、エイメイ学院 富士見羽沢校の石橋です!
11月8日の第6回北辰テストに向けて、2021年度から2025年度の第6回国語を5年分、北辰テストが公表している「偏差値別通過率」の表と並べて、1問ずつ仕分けました。
通過率の表には、全体の正答率だけでなく「偏差値65の人は何%取れたか」「偏差値50の人は何%取れたか」まで載っています。
仕分けは3段階です。
この記事の3段階
- A 絶対に取る:全体の正答率が65%以上で、偏差値50の人でも6割以上が取れている問題。5年平均で54点分(作文12点を含む)
- B 差がつく:全体の正答率が25〜65%。偏差値55〜65の間で取れる人と取れない人が割れる問題。5年平均で37点分
- C 最難関校だけ:全体の正答率が25%未満で、偏差値65の人でも6割取れていない問題。5年平均で9点分
各年の換算表で見ると、Aを全部取ると偏差値42〜50、AにBの半分を足して偏差値52〜61、Bを全部取れば偏差値67〜73です。
国語は、Aだけでは平均点前後。Bの半分を取ってやっと偏差値57。
国語は年によって平均点が55.9点から70.2点まで動くので、同じ点数でも偏差値が5以上違います。数字は「構造の目安」として読んでください。
先に、今年の国語は「作文がない」ことが一番大きい
過去5年の第6回は、小説・知識・論説・古文・作文の5大問でした。
作文は5年間ずっと通過率62〜72%で、完全正解は6〜10%なのに部分点をもらった人が83〜88%。「書けば7割もらえる12点」でした。
2026年度は作文がありません。第5回の配点は小説28・知識28・論説28・古文16でした。
作文を抜いて100点に直すと、Aが約48点、Bが約42点、Cが約10点。
つまり今年の国語は、「書けばもらえた12点」が消えた分、記述と知識のBで差がつきます。
第5回の分析記事はこちらに書きました。
A 絶対に取る48点。読解の記号と書き抜きです
5年間ずっとAだった問題
- 小説の心情・理由の記号(4〜5点):76〜92%。偏差値50の人でも78〜94%
- 小説の書き抜き(4〜5点):72.5→89.0→91.6→83.8%
- 小説の条件記述(6〜7点、二語指定):2022年度以降は71〜92.5%。部分点が2〜4割つく
- 論説の書き抜き(4点):69〜88%
- 論説の1本目の記述:74.0/65.4/66.1/84.7%
- ことわざ・慣用句(2〜3点):80.4/78.3/93.2%。2025年度の「背に腹はかえられぬ」だけ60.7%
- 話し合い・インタビューの記号:63〜98%
- 漢字の読みの易しい1問:81〜98%
- 古文の仮名遣い(3点):51.9→60.9→65.0→90.9→60.2%
- 古文の会話文(先生とAさん)の空欄:71〜80%
Aで落ちる原因は3つです。
小説の記号で「自分の感想を混ぜた選択肢」を選ぶ。2025年度は25%が同じ誤答でした。
書き抜きで字数を数え間違える、空欄の前後とつながらない語形で抜く。
仮名遣いで「すべてひらがなで」の指示を無視する。
Aの練習(毎日5分)
- 小説の記号は、傍線の前後で「行動ときっかけ」を本文で指さしてから選択肢を切る
- 書き抜きは字数を鉛筆で区切って数える。空欄の前後と接続する語形で抜く
- 条件記述は指定語を先に置き、該当箇所を2か所探して、字数の7割以上で書く。白紙は0点、書けば半分前後
- 仮名遣いは「は行→わ行」「む→ん」「ゐ・ゑ→い・え」「au→ô」「くわ→か」の5つ
B 差がつく42点。論説の2本目の記述と、文法と、古文です
5年間で繰り返しBだった問題
- 論説の2本目の記述(6〜7点):63.2/64.2/61.9/47.3%。完全正解は28〜44%、無答が20〜31%。偏差値65の人は85〜95%
- 小説の表現を「二つ選ぶ」(5点):58.3→52.3→61.3→33.5%。偏差値65の人は88〜97%、偏差値50の人は29〜59%。完答制
- 論説の内容一致(4〜5点):42〜68%。「本文の一歩先」を言う選択肢に流れる
- 漢字の読み(中学配当、2点×2):46〜64%。訓読み1字(網・裾・臼・床)が落ちる
- 漢字の書き(小学校配当の訓):民82.5→拝む61.8→省く65.5→鼻39.9→延び24.7%と年々下がっている
- 文法(3点×1〜2):熟語の構成41.5%、活用の種類34.4%、活用形39.4%、「れる」の用法35.3%。偏差値65の人は73〜90%、偏差値50の人は27〜52%
- 古文の主語・発話者(3点):55.1/54.8/58.0%。偏差値65の人は89〜93%
- 古文の現代語記述(3点):39.4/71.7/66.9/23.7%。無答が18〜33%
- 対義語(漢字一字):50.5%
論説の2本目の記述は、無答が2〜3割います。書くだけで上位半分に入ります。
偏差値65の人は9割取っているので、ここが偏差値60を分ける一番大きな山です。
もう1つ、文法は「知っていれば取れる」のに、偏差値50の人は3割しか取れていません。
Bの練習(週に3回、1回20分)
- 論説の記述は週2本。空欄の前後を見る→指定語がある段落を探す→「AなのでB」に圧縮→字数の8割で書く
- 「二つ選ぶ」表現問題は、技法名の正誤と効果の正誤を2段階で○×。設問の「適切な/適切でない」に丸をつける癖
- 内容一致は、各選択肢の後半だけを本文と照合する
- 漢字の読みは中学配当の熟語(去就・萎縮・蛍雪・采配・食傷・論旨・謙遜)と訓1字。書きは小学校配当の訓と送り仮名(延びる・省く・拝む)を文脈で
- 文法は「文節分け→文節の関係→活用の種類と活用形→形容詞と形容動詞→れる・ない・らしいの識別→熟語の構成」の順に体系で。第5回は文節の数、補助の関係、熟語構成の「すべて選ぶ」でした
- 古文の主語は「」の前後で発話者を補う。敬語があれば上位者
- 古文の現代語記述は、口語訳をそのまま書かず、指定語で「何を」「なぜ」を書く
C 最難関校だけの10点。偏差値70でも落とす漢字と俳句です
5年間ずっとCだった問題
- 漢字の書き(中学配当の熟語):「劇薬」10.1%、「善処」25.8%、「創刊」21.5%、「再燃」24.9%、「延び」24.7%。偏差値70の人でも「劇薬」51.5%、「延び」57.8%
- 文法の識別の難問:助動詞「らしい」22.9%、単語の数27.1%、形容詞「忙しく」30.4%(形容動詞と混同43%)
- 俳句・短歌:「いわし雲」の季節29.9%、「落葉」の季節17.6%、四句切れ33.2%。偏差値70の人でも3〜5割落とす
- 論説記述の難問:2021年度の50〜60字記述22.8%(完全正解2%、無答31%)
- 古文の難問:2021年度の主語23.5%と内容一致21.9%、2025年度の「お茶をもみじにたてる」の意味23.7%
2024年度の「西吹けば東にたまる落葉かな」の季節は、81%が「秋」と答えて、正答率17.6%でした。
落葉は冬の季語です。知らなければ偏差値70でも落とす問題で、知っていれば3点。
ここは「暗記した人だけが取れる」場所なので、最難関志望の子は季語と中学配当漢字を毎日10語ずつ。それ以外の子は、Bの文法と論説記述を先に固めてください。
Cの練習(最難関志望だけ)
- 中学配当漢字を熟語で毎日10語。劇薬、善処、創刊、再燃
- 毎週1文を品詞分解。「らしい」「ない」「れる」の識別、形容詞と形容動詞の区別
- 季語の季節(いわし雲は秋、落葉は冬、蛍と紫陽花は夏)、短歌の句切れは「や・かな・けり」と終止形の位置
2026年度の第6回で、過去5年に出ていない型
第5回に出て、過去5年の第6回には出ていなかった型があります。
- 文節の数が他と異なる文を選ぶ
- 「補助の関係」の二文節を書き抜く
- 同じ漢字を含む語を選ぶ
- 国語辞典の見出し順
- 熟語の構成を「すべて選ぶ」
- 古文の各問が4点(10字以内の記述も4点)
知識問題が「数える・すべて選ぶ・並べる」型になり、消去法が効かなくなっています。
記述は1大問に1問ずつに減りましたが、残っています。第5回は小説6点、論説6点、古文4点でした。「記述の部分点が偏差値60の分かれ目」という構造は、作文がなくなっても変わりません。
最後に
国語は、Aだけでは平均点前後で止まり、Bの半分で偏差値57、Bを全部取れば偏差値70に届く教科です。
偏差値50の子は、記述を白紙にしないことと、仮名遣いの5つのルール。
偏差値55から60の子は、論説の2本目の記述と、文法の体系。
偏差値65以上を狙う子は、Bを全部取ったうえで、中学配当漢字と季語。
富士見羽沢校では、第5回の答案からこの3段階のどこで落としているかを1人ずつ出して、第6回までの練習メニューを分けています。
第5回の分析記事はこちらです。
エイメイ学院 富士見羽沢校
石橋凌
